不動産鑑定士の評価が否認

　不動産鑑定士の評価が否認されることがある背景には、いくつかの要因が絡んでいます。

　以下はその主な理由です：

• 公平性の問題： 不動産鑑定士の裁量によって評価が変わるため、同じ物件であっても異なる鑑定士が異なる評価を出すことがあります。税務署は公平性を重視し、同じ物件に対して公平でない評価がなされることに疑問を抱く可能性があります。

• 通達に基づかない評価： 通達に明示されていない減額を求める場合や、通達で算出された評価額に納得できない場合に鑑定を依頼することがあります。しかし、通達に基づいていない評価が行われると、税務署はそれを検証し、否認する可能性が高まります。

• 適切でない評価根拠の使用： 鑑定士が適切でない評価根拠を使用する場合、それが税務署によって見抜かれ、否認されることがあります。特に、通達に記載されている評価方法や基準に従わない場合、税務署はその評価を疑義視することがあります。

• 明らかな過小評価： 鑑定士が過小評価を行った場合、税務署はこれを検知し、否認することがあります。税務署は、あまりにも低い評価が相続税逃れの手段として利用されることを警戒しています。

  相続税の場合、評価が否認されると、課税対象の評価が見直され、それに基づいて相続税が再計算されることになります。

  不動産鑑定士は公正かつ適切な評価を行うことが求められ、それが確保されない場合には否認されることがあるということを留意する必要があります。