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相続税と贈与税の相互補完関係

 相続税と贈与税の相互補完関係

 

 1. 概要

 贈与税:

 個人が無償で財産を受け取る場合に課される税金。

 財産の取得が実質的に贈与に等しい場合にも課税される(みなし贈与財産)。

 

2. 相続税との関係

 相互補完:

 贈与税と相続税は相互補完の関係にある。

 生前に財産を子孫や配偶者に贈与する場合は贈与税が、死亡時に財産が移転する場合は相続税が課税される。

 累進税率の違いを考慮し、税負担が不利にならないようにする。

 

3. 補完関係を一体化した税制

 ① 相続開始前3年以内贈与の加算:

 相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産は相続税の課税財産となり、贈与税がある場合、その贈与税は相続税から控除される。

 ② 相続時精算課税:

 生前に相続時精算課税の対象となった贈与財産は相続税の課税財産となり、納付した贈与税は相続税から控除される。

 

4. 贈与の種類

 ① 贈与契約:

 贈与者が自己の財産を無償で与える契約。口頭や書面で行うことができる。

 ② 贈与の種類:

 通常の贈与: 贈与者が財産を無償で与え、受贈者がこれを受諾する。

  • 負担付贈与: 贈与と同時に一定の給付義務を負わせる。
  • 死因贈与: 贈与者の死亡により効力を生じる贈与。相続税の課税財産となる。
  • 定期贈与: 一定の給付を定期的に行う贈与。期間の定めがない場合、贈与者又は受贈者の死亡により効力を失う。