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法定相続分以上の財産を相続させる

 遺言において被相続人が特定の相続人に対して法定相続分以上の財産を相続させる意志を示す場合に発生する問題です。

  • 法定相続人と遺留分:

 遺言で被相続人が意志を示す場合、その内容が法定相続人と遺留分にどのように影響するかが重要です。

 法定相続人は、遺言に従って相続すべき財産を減らされても、法定相続分の一部(遺留分)を受け取る権利があります。

  • 法定相続人の例:

 配偶者が子供のいない場合、法定相続人は親や兄弟姉妹になることがあります。

 法定相続分の割合は、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4となります。

  • 財産処分の制約:

 配偶者が法定相続人として財産を相続する場合、兄弟姉妹との遺産分割協議が必要となります。

 この際、配偶者は自由に財産を処分できなくなる可能性があります。

  • 遺言での全財産相続:

 遺言で「配偶者に全財産を相続させる」と明記することで、法的な効力があります。

 遺言によって遺留分の主張を防ぎ、全財産を配偶者が相続できます。

  • 相続税について:

 相続税は法定相続人が法定相続分通りに財産を相続したものとして計算されます。

 配偶者に全財産を相続させた場合でも、相続税が課されることに留意が必要です。

 

 遺言作成において、被相続人の明確な意志を示すことが、相続時の問題解決に有効であります。