自己信託の問題と信託業法等の規制の適用について
1. 専ら受託者の利益を図る目的の信託:
問題点:
信託法から外れる可能性があり、特に専ら受託者の利益を目的とした信託は信託の目的に反すると見なされることがあります。
対処法:
受益者を追加して他の者も受益者に加え、単独での受益者になることを避けることで対応できる。
2. 受益者の定めのない信託:
問題点:
自己信託において受益者が定まらない場合、信託を設定することができません。
制約:
受益者が定まらない信託は信託契約または遺言によってのみ設定可能。
3. 信託の受益権を多数の者が取得する場合:
問題点:
多数の受益者を持つ場合、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。
保護の観点からの例外:
多数の受益者を持つ場合、受益者の保護のために例外的に規制がかかる。
4. 信託業法等の規制の適用の有無:
信託業の定義:
信託業は信託の引受けを行う営業であり、営業は営利の目的を持つ反復継続して行うことを指す。
報酬受け取りの可否:
民事信託でも受託者が報酬を受け取ることはできるが、信託業法の規制が適用されるため、営業としての要件を満たさない場合は報酬が可能。
金融商品取引法の適用:
信託受益権の譲渡に関して、金融商品取引法の適用がある可能性があり、金融監督当局に確認が必要。
上記のポイントは、信託の設定や運用において法的・規制上の留意点を示しています。
信託の設定や変更を検討する際には、信託法や関連法令について専門家の助言を仰ぐことが重要です。
また、信託業法や金融商品取引法の適用についても十分な理解が求められます。
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