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税務署が銀行を調査する主な目的

 税務署が銀行を調査する主な目的は、相続財産における現金や預金などの金融資産が銀行口座に集中している可能性があるためです。

  • 現金や預金の申告漏れ:

 現金や預金は相続税・贈与税の調査において、最も申告漏れが多い財産とされています。

 調査の際、税務署は被相続人の現預金の大部分を知るため、銀行口座を調査します。

  • 調査結果のデータ:

 平成29事務年度のデータによれば、相続財産の申告漏れの金額のうち、現金・預貯金が相当な割合を占めています。

 相続税や贈与税の非違件数も、大部分が現金・預貯金に関連しています。

  • 脱税防止と出金形跡の確認:

 相続税は被相続人の財産に課税されるため、脱税を防ぐためには相続財産を正確に申告する必要があります。

 税務署は銀行口座を調査して、出金の形跡や送金履歴などを確認し、実際の相続財産を正確に把握します。

  • 銀行調査の範囲と権限:

 税務署は強力な調査権限を持ち、銀行などの金融機関に対しては税務調査に必要な情報を開示するよう要求できます。

 ただし、調査対象者以外の銀行口座を調査することは一般的に制限されており、調査が必要であると認められた場合に限られます。

  • 相続人や関係者の銀行口座も調査対象:

 相続税の調査では、被相続人だけでなく、相続人や関係者の銀行口座も調査対象となります。

 これにより、相続人に出金されたお金の用途や生前贈与に関する情報も確認されます。

  • 隠し口座や申告漏れへの対策:

 隠し口座や申告漏れを防ぐため、税務署は送金事績を辿り、隠し口座がある場合でも把握します。

 相続人が銀行口座を利用して資産を移動させた場合でも、その形跡は確認可能です。

 相続税においては、正確かつ適切な申告が求められ、税務署はその実績を確認するために銀行調査を行います。