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親族間の売買で適正価格を確定

 親族間の売買で適正価格を確定し、かつ贈与税の課税を回避するためには、慎重なアプローチが必要です。

 

適正価格の決定方法:

  • 不動産業者による査定:

 不動産業者に査定を依頼することで、市場価格に近い適正価格を知ることができます。

 ただし、査定額は通常の市場価格に比べて高くなる傾向があるため、注意が必要です。

  • 不動産鑑定士による鑑定:

 不動産鑑定士による鑑定は、より正確な評価が期待できますが、鑑定士の報酬がかかることや、通常の市場価格よりも高額になる可能性があります。

  • 路線価を基にする方法:

 路線価を基にして適正価格を求める方法もあります。

 通常は路線価を1.25倍して算出し、さらに80%で割り戻すことが行われます。

  • 路線価そのままの利用:

 過去の裁判事例において、路線価そのものを適正価格とみなすことも認められています。

 ただし、路線価と時価との差が大きい場合は検討が必要です。

 

専門家の相談:

  • 司法書士:

 契約書の作成や登記手続きに関しては司法書士に相談すると良いでしょう。

 不動産取引においては、プロのサポートが重要です。

  • 税理士:

 適正価格の判定や贈与税の課税回避に関しては税理士に相談することが重要です。

 税務の専門知識を持つプロが適正なアドバイスを提供します。

  • 相続対策・贈与専門の事務所:

 不動産に関する相続対策や贈与に特化した事務所であれば、契約から適正価格の設定、贈与税の計算までトータルでサポートしてくれる可能性があります。

  • 不動産会社を介する場合:

 不動産会社を通じての取引を希望する場合、仲介手数料などが発生することに留意しつつ、不動産会社が提供するサービスを利用することも検討できます。

 慎重な計画とプロのサポートにより、親族間売買においては適正価格を確保し、かつ税務上のリスクを最小限に抑えることが可能です。

 相談する際には、不動産、法務、税務の各専門家と協力してスムーズな進行を図ることが重要です。