相続欠格と相続廃除の違いとポイント

　相続欠格と相続廃除の違いとポイント

　相続欠格と相続廃除は、相続人に関する権利剥奪の仕組みであり、一見似ているようでも異なる要素が存在します。

 

1. 意思の有無：

相続欠格：

　被相続人の意思に関係なく、法的事由（重大な非行など）に基づいて相続権が剥奪される。

相続廃除：

　被相続人の意思によって相続権が喪失される。

　生前廃除と遺言廃除がある。

 

2. 取り消しの可否：

相続欠格：

　一度相続欠格になると取り消しはできない。

相続廃除：

　生前廃除や遺言廃除において、取り消しが可能。

 

3. 相続欠格者の主張：

相続欠格：

　事実を隠して相続権を主張する可能性があり、他の相続人が確認のために裁判所に訴えることがある。

 

4. 生前廃除と遺言廃除：

生前廃除：

　被相続人が生前に家庭裁判所に「相続廃除」を申し出、手続きを行う。自身の遺産相続を防ぐための手段。

遺言廃除：

　被相続人が遺言書に廃除の旨を記載し、死亡後に遺言執行者が家庭裁判所に「推定相続人廃除」の申立てを行う。

　遺言に基づく相続権喪失。

 

5. 確実な手続きの必要性：

相続欠格や相続廃除の主張がある場合：

　相続手続きに詳しい司法書士や弁護士に相談することが重要。

　確実な手続きを踏むことで争いを未然に防ぐ。

 

6. 相続トラブルへの対処：

相続欠格者の主張がある場合や争いが起こっている場合：

　相続専門の弁護士に相談し、適切な対処を検討することが重要。

　相続欠格や相続廃除は、法的な手続きや意思の有無に関する複雑な要素が絡むため、的確なアドバイスを得るためには専門家の協力が欠かせません。