相続登記で母名義にするメリットとデメリット

相続登記で母名義にするメリットとデメリット

メリット:

• 母の居住権の確保:

　母名義にすることで、母の居住権を確保できます。

　子の名義だと将来のトラブルで子が母に退去を求める可能性があるため、母のコントロールが難しくなります。

• 子の納得感:

　不動産を子供たちで平等に相続するのが難しい場合、母名義にしておけば将来的に母の死後に売却し、相続を平等に行うことができます。

　これにより、子供たちの納得感が得られる可能性が高まります。

• 相続税上の必要性:

　小規模宅地の特例などを利用し、相続税の課税価格を圧縮できる可能性があります。

　相続税の負担を減らすためにも、母名義にすることが有利な場合があります。

デメリット:

• 認知症発症のリスク:

　母が認知症になり、判断能力が低下した場合、不動産売却などの財産管理が難しくなります。

　成年後見制度などを利用する必要が出てくる可能性があります。

• 母死亡後の相続登記:

　母が先に亡くなる確率が高い場合、母名義にしておいてから子の名義に変更するためには、2回の相続登記が必要となり、コストがかかる可能性があります。

 

専門家のチェックポイント:

• 母の年齢、状態、想い:

　母が高齢であれば、不動産以外の財産管理や身の回りのことも考慮し、認知症対策や家族信託、任意後見契約なども検討する。

 

• 同居している子はいるか、または将来実家に住む予定はあるか:

　同居する子がいる場合、小規模宅地の特例を利用するなどの相続対策が可能。

　将来実家に住む予定の子がいる場合、その視点からも検討が必要。

• 結論:

　相続登記は単なる名義変更ではなく、家族や状況によって最適な手続きが異なります。

　各メリットやデメリットを考慮し、現実的なニーズに基づいて相続のプロと相談することが重要です。

　状況によっては、複数の手法や対策を組み合わせて検討することもあります。