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特別縁故者が相続財産の分与手続き

特別縁故者が相続財産の分与を申し立てるまでの手続きは以下の通りです。

  • 相続財産清算人の選任を請求する:

 相続人が不明な場合、相続財産清算人の選任が必要です(民法952条1項)。

 特別縁故者は「利害関係人」として相続財産清算人の選任を請求できます。

  • 公告手続き:

 相続財産清算人の選任後、以下の公告手続きが行われます。

  • 相続財産清算人選任と相続人の捜索の公告:

 相続人の検索のための公告が行われ、6か月間待つことになります。

 相続債権者・受遺者に対する弁済請求申出の公告:

 相続財産清算人は相続債権者・受遺者に対して弁済請求を申し出る公告を行います。

  • 家庭裁判所に対して相続財産分与の申立てを行う:

 相続人の検索の公告期間終了後、相続債権者への弁済が終了したら、特別縁故者は家庭裁判所に対して相続財産分与の申立てが可能となります(民法958条の2第1項)。

 この申立て期間は、相続人の捜索の公告期間の満了後3か月以内です。

  • 特別縁故者の審判:

 家庭裁判所は提出された書類のほか、家庭裁判所調査官による調査を行い、特別縁故者かどうか、相続財産分与が相当かどうかを確認します。

 相続財産清算人にも意見書の提出が求められます。

 

結果の審判:

 審理の結果、家庭裁判所が特別縁故者と認定し、相続財産分与が相当と判断すれば、審判を下し、特別縁故者に相続財産が分与されます。

 逆に特別縁故者に当たらないと認定されるか、相続財産分与が相当でないと判断される場合は、申立てが却下されます。

 

必要な書類・費用:

書類:

 家事審判申立書

 申立人の住民票または戸籍附票

費用:

 収入印紙800円分

 連絡用の郵便切手(裁判所によって異なる)

 特別縁故者が相続財産の分与を求める場合、被相続人との関係性を立証するため、信頼性のある資料や証拠を提出することが必要です。

 弁護士の助言を仰ぐとともに、正確で適切な手続きを行うことが重要です。