事案の概要:
- 地方公共団体Yが昭和42年から45年にかけて、市内北東部の丘陵地に大規模な住宅用団地を造成し、順次分譲販売。
- 購入者Xらは昭和44年から46年にかけて、団地内の宅地を購入し、木造家屋を建築して入居。
- 昭和53年6月、震度5の大地震が発生し、宅地に亀裂と地盤沈下が発生し、各居宅に基礎・壁面の亀裂、床面の沈下などの被害が生じた。
- Xらは、団地造成工事が地震に耐え得なかったために発生した損害に基づき、Yに対し、建物修補費用と宅地の価格減少分の損害賠償を求めて提訴。
判決の要旨:
- 当該地域では10年に1回程度震度5の地震が発生していたため、その程度の地震に耐え得る宅地でなければ、瑕疵があると判断。
- 被害は基礎・壁等の亀裂・歪み、ブロック塀の倒壊などであり、宅地における被害は大規模なものではなかった。
- Yは大地震に対する耐震性について、地質調査を行い、過去の経験から高い耐震性の地盤にできたが、その基準が不明確だったと主張。
- Yの主張は採用できず、Yに対して瑕疵担保責任に基づく損害賠償が認められ、修補費用と今後の特殊基礎工事費を支払うことが相当とされた。
まとめ:
- 宅地の地盤における耐震性に関する難しい条件がある中、地震に耐え得る宅地でなければ瑕疵があると認め、被害の程度に基づき損害賠償が認められた。
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