この裁判事例は、「補修を怠った家主に対する敷金返還請求」に関するものです:
事案の概要:
- 賃借人(X)と貸主(Y)の間でアパートの一室の賃貸借契約が締結され、Xは手付金として5万円、敷金等として21万円を支払った。
- Xは契約前に畳の交換などの補修を求めたが、Yは畳の交換費用の半分はXが負担する旨を伝え、Xが現状のまま入居してほしい旨を伝えたと主張。
- Yは契約解除に同意し、Xが手付金26万円余を返還請求。
判決の要旨:
- Yは入居までに補修すべき義務を負っていないと判断された。
- XとYの契約は事業者と消費者の間のものであり、契約解約時の賃料と共益費6か月分の保証合意は消費者契約法に照らして無効とされた。
- Yは補修の義務を負っており、Xが解約通知をし、手付金を放棄して契約解除したことが認められたため、Xの21万円余の請求が認容された。
まとめ:
- この事例では、家主が約定の補修義務を果たさず、賃借人が手付金を放棄して契約を解除した場合の敷金等の返還請求が認められました。
- 特に、補修の義務や契約解約に伴う支払いに関する合意が消費者契約法に違反している場合、裁判所は賃借人の権利を保護する方向に判決を下しています。
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