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相続税節税対策として「債務控除」

 相続人が引き継いだ債務で破産する可能性まで存在する理由

 

 相続税節税対策として「債務控除」が提案されることがありますが、この手法には大きなリスクが伴います。

 債務控除は相続税の課税価格を下げ、一時的な節税効果があるものの、その利用には注意が必要です。

 1. 債務は相続人全員が負担する:

  債務は法的には相続人全員が相続分に応じて負担します。

 一般的には、相続した資産に付随した債務は相続人が返済することになります。

 例えば、賃貸アパートの建築に使った借入金は、そのアパートを相続した人が返済することが一般的です。

 

 2. 相続人の責任と返済者の取り決めが必要: 

 相続人の間で債務の返済者を取り決めた場合、債権者の承認を得ることが重要です。

 しかし、これが難しい場合もあります。

 債権者が同意しないと、返済計画を進めることが難しくなります。

 

 3. 相続放棄や限定承認のリスク: 

 債務を一切相続しない方法は「相続放棄」以外にありませんが、相続放棄は相続自体を放棄することを意味し、遺産も引き継げません。

 また、「限定承認」は手続きが煩雑で相続人全員の同意が必要であり、実際にはあまり使われていません。

 

4. 知識不足による破産リスク: 

 相続放棄や限定承認などの手続きは相続が発生してから3ヵ月以内に行う必要があります。

 この知識がないままだと、相続人が引き継いだ債務によって破産のリスクが存在します。

 

 5. 資産価値の変動による危険性: 

 賃貸物件やその土地の価値は変動しやすく、計画通りに資産を売却して返済することが難しい場合があります。

 特にデフレや災害などの要因で価値が急激に下がるリスクがあります。

 

 6. 賃貸経営の不確実性: 

 賃貸経営は市況や周辺環境の変化に影響されやすく、計画通りの収益が得られない可能性があります。

 修繕費や雑費が発生し、資産価値を維持できない場合も考えられます。