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死後事務委任契約によるトラブル事例

死後事務委任契約によるトラブル事例:

  • 死後事務委任契約自体の有効性が争われた:

 ある事例では、死後事務委任契約の有効性について相続人との間で争いが生じました。

 法的には委任者の死亡が委任の終了事由とされていますが、裁判所の解釈により、ただちに契約が終了するわけではないというケースがありました。

 契約書には、「委任者が死亡しても、本委任契約は終了しない。」という明記がなされていなかったため、トラブルが生じました。

 これを避けるためには、契約書に明確な条文を追加することが重要です。

  • 契約を解約したら預託金の一部しか戻らなかった:

 別のケースでは、死後事務委任契約を事業者と結んで解約した際、預託金の一部しか戻らなかったという問題が発生しました。

 預託金に関する詳細な説明がなく、不透明なまま契約が進んでいたため、トラブルが生じたと考えられます。

 契約前に契約内容や費用について詳細に確認し、不明瞭な点があれば質問することが重要です。

 

おひとりさまが死後事務委任契約を活用する際の注意点:

  • 認知症の進行前に契約:

 死後事務委任契約は判断能力が十分なうちに契約内容を決定する必要があります。

 認知症が進行すると契約が難しくなるため、余裕を持って契約を進めることが重要です。

  • 信頼性と責任感のある受任者を選定:

 受任者となる人は信頼性があり、かつ責任感を持って事務手続きを進めてくれる人を選ぶことが重要です。

 特に親戚や友人・知人に頼む場合は、信頼性が最も重要です。

  • 契約内容の明確な記載:

 契約書には死後事務委任契約の詳細な内容を明確に記載することが必要です。

 特に、委任者の死亡に関する取り決めや預託金に関する事項は明確に定めるべきです。

  • 契約前に十分な相談:

 契約前に担当者と十分な相談を行い、契約内容や費用について納得がいくまで確認することが重要です。

 トラブルを避けるためにも、事前に細かい点まで確認しましょう。

 これらの注意点を守ることで、死後事務委任契約をより円滑かつ安心して進めることができます。