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直接取引された場合の報酬請求権

裁判事例の要旨

大項目: 

 直接取引された場合の媒介業者の報酬請求権

裁判概要:

 

事案の概要:

  • 売主Y1が業者Xに土地付建物の売却の媒介を依頼。
  • Xが広告や価格交渉を行い、買主Y2が現れるが、取引中止に。
  • Y1とY2が共謀し直接取引。Xが報酬請求。

主張:

  • Xが媒介を担当し、Y1とY2の間での直接取引により報酬損失を被ったと主張。

判決の要旨:

媒介契約の成立:

  • XとY1、Y2の間には口頭での媒介契約が成立していると認定。
  • Xは広告、交渉、案内など媒介業務を遂行。

報酬請求権の成立:

  • Y1とY2の直接取引がXの媒介行為に因果関係があり、Xの報酬請求権が認められる。
  • Y1とY2の直接取引は媒介契約の停止条件である。

報酬額の決定:

  • 報酬上限の80%に消費税分5%を加算した額が相当と判断。
  • 宅建業法に基づく契約書交付義務についても触れられている。

まとめ:

  • 売主と買主が共謀して媒介手数料を回避する目的で直接取引を行った場合でも、媒介業者に報酬請求権が生じることが示された。
  • 報酬額は諸般の事情を勘案して判断された。