葬儀代などの費用を賄うために

　銀行口座が凍結されている状態で、葬儀代などの費用を賄うためにお金を引き出したい場合、以下の方法があります。

• 遺産分割前の相続預金の払戻し制度：

　この制度を利用すると、亡くなった人の口座から一定額のお金を引き出すことができます。

　この制度には、法定相続人が銀行から1人で払い戻しが受けられる制度と、家庭裁判所の判断により払い戻しができる制度があります。

　法定相続人であれば、1人で払い戻しができる上限額は各銀行で150万円です。

　家庭裁判所の判断による払い戻しは、遺産分割の審判または調停の申し立てが必要です。

• 必要書類の準備と提出：

　払い戻しを受けるためには、銀行からの案内に従って必要書類を準備し、銀行に提出する必要があります。

　利用の際は、亡くなった人の口座がある銀行に確認してから、必要書類を準備して提出しましょう。

　このように、遺産分割前の相続預金の払戻し制度を利用することで、口座が凍結されている場合でも一定額のお金を引き出すことができます。

　ただし、払い戻し分を遺産分割協議や相続税の申告の際に忘れないように注意することが重要です。