民法改正により、保証人が主たる債務者(例えば、家賃を支払う賃借人)の履行状況に関する情報を債権者(例えば、賃貸人)から得る権利が新たに設けられました。
これは保証人の保護を強化するための措置です。
新設された第458条の2のポイント
保証人の情報提供請求権
- 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合に、保証人は債権者に対して、主たる債務の履行状況に関する情報を請求することができます。
債権者の情報提供義務
- 債権者は、保証人からの請求があった場合、遅滞なく次の情報を提供する義務があります:
- 主たる債務の元本
- 利息
- 違約金
- 損害賠償
- その他の関連費用
- 不履行の有無
- 未払い残高
- すでに弁済期が到来している金額
改正の背景と目的
- 以前は、保証人が賃借人の家賃滞納などの状況を知らされないまま、後になって多額の損害金を請求されるケースが多くありました。
- これにより、保証人が予期せぬ大きな負担を強いられることがありました。
- そこで、保証人が事前に主たる債務者の履行状況を把握できるようにすることで、損害が大きくなる前に対応策を講じる機会を提供し、保証人のリスクを軽減することが目的です。
具体的な運用
- 保証人が賃貸人に対して、賃借人の家賃の支払い状況や未払いがあるかどうかを照会することができます。
- 賃貸人はこの請求を受けたら、遅滞なく情報を提供しなければならないため、保証人はその情報をもとに、必要に応じて早めに対応策を取ることが可能になります。
保証人保護の強化
- この新しい条文により、保証人が事前にリスクを把握し、過度な負担を回避するための措置が強化されました。
- 保証人は、主たる債務者の状況を正確に把握できるようになり、予期せぬ大きな損害を防ぐことが期待されます。
このように、保証人がより安心して保証契約を引き受けられる環境が整えられたといえます。
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