契約不適合責任についてです。
以下は、主なポイントを整理したものです。
契約不適合責任の概要
定義:
契約不適合責任は、売主が売却した不動産が契約内容と異なる場合に負う責任です。
具体的には、種類、品質、数量が契約と異なる場合に適用されます。
瑕疵担保責任との違い
- 瑕疵担保責任:
民法改正前は、隠れた瑕疵に対しての責任で、特定物に限られ、契約締結時までに生じた瑕疵に対しての責任がありました。
- 契約不適合責任:
民法改正後、瑕疵担保責任は契約不適合責任に変更され、特定物・不特定物を問わず、引渡し時までに生じた契約不適合が対象となります。
買主の権利も追加され、履行の追完請求権や代金の減額請求権が認められました。
買主の権利
- 追完請求:
契約内容に適合するように修理や代替物の引き渡しを求める権利。
- 代金減額請求:
追完請求が履行されない場合に代金の減額を求める権利。
- 催告解除:
相当な期間内に追完請求が履行されない場合に契約を解除する権利。
- 無催告解除:
契約の目的が達成できない場合や履行の拒否が明白な場合に契約解除する権利。
- 損害賠償:
契約不適合によって発生した損害に対する賠償請求権。
責任の期間と時効
- 種類・品質の契約不適合:
瑕疵を知った時から1年以内に通知する必要があり、知ってから5年、取引から10年が経過すると消滅時効となる。
- 権利の契約不適合:
消滅時効が適用される。
免責特約
- 概要:
免責特約を設けることで、売主が責任を免れることができます。
売主が個人の場合、任意で設定可能ですが、宅地建物取引業者が売主の場合や法人の場合には条件が異なります。
- 無効になるケース:
売主が契約不適合を知りながら説明しなかった場合など、免責特約が無効になることがあります。
売主の注意点
- 物件の確認:
売却前に物件の瑕疵を確認し、契約書に詳細に記入することが重要です。
- インスペクション:
売却前にインスペクションを行い、不具合を事前に修繕することが推奨されます。
契約不適合責任は、民法改正により、より広範なケースに対応できるようになり、買主の保護が強化されています。
一方で、売主にとっては契約書の内容や免責特約の設定が重要となります。
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