不動産鑑定士による鑑定

　不動産鑑定士による鑑定は、公平かつ適正な価格を算定するための重要なプロセスです。

　以下のポイントが特に重要です：

 

• 評価基準の遵守:

　不動産鑑定士は、国土交通省が定めた「不動産鑑定評価基準」に従って鑑定を行います。

　この基準は「総論」と「各論」の2部で構成されており、それぞれ全般的な指針と具体的な評価手法を提供しています。

• 公正な態度の保持:

　鑑定士は自己や関係者の利害に左右されず、公平かつ妥当な態度を保持することが求められています。

　また、鑑定評価の社会的意義を理解し、責任を自覚して適切な評価を行うことが求められます。

• 損害賠償責任:

　鑑定士は、不当な鑑定評価により他人に損害を与えた場合、法律上の賠償責任を負います。

　鑑定結果に疑問が生じた際には、損害賠償の請求が可能です。

• 公的な役割:

　不動産鑑定士は地価公示価格や路線価格の評価など、公的な仕事を多く受注します。

　このため、鑑定士は大きな責任を負っており、その鑑定結果は多くの人々に影響を与えます。

• 依頼目的:

　不動産鑑定は、相続、担保ローン、税金申告などの目的で依頼されます。

　相続では、遺産分割に必要な適正価格を算定し、担保ローンでは融資額決定に利用されます。

　また、相続税申告時には土地評価額の適正化が求められることもあります。

• 査定との違い:

　不動産査定は一般的に無料で行われるもので、主に不動産の推定売却価格を提供します。

　一方、不動産鑑定はより詳細で正確な評価を提供し、公的な証明が必要な場面で利用されます。

 

　これらの点を理解し、不動産鑑定士を選ぶ際や鑑定依頼を検討する際に、必要な情報と目的に応じた適切な判断をすることが重要です。