譲渡と贈与の違い
「有償か無償か:」
- 譲渡:
有償で不動産を売却することを指します。
譲渡の場合、譲る側に譲渡所得税がかかります。
- 贈与:
無償で不動産を譲り渡すことを指します。
贈与を受けた側(受贈者)に贈与税がかかります。
「無償譲渡の場合:」
無償で譲渡する場合、その行為は贈与とみなされます。
したがって、個人間で無償譲渡を行うと、譲る側ではなく受贈者に贈与税が課されます。
「なぜ無償で譲渡するのか」
日本では、人口減少により不動産の需要が少なくなり、利用されていない不動産が増えています。
所有している限り固定資産税や管理費がかかるため、無償で譲渡することでこれらの負担を軽減することが目的です。
特に以下のような理由で無償譲渡が検討されます。
- 遠方にある不動産の管理が難しい。
- 将来住む予定がない。
- 放置することで近隣に迷惑をかける可能性がある。
- 子どもに相続させると負担が大きい。
また、老朽化した建物は耐震性や居住環境に問題がある場合が多く、そのまま維持するよりも無償で譲渡するほうが良いこともあります。
「無償譲渡でも発生する費用」
無償譲渡の場合でも、譲渡する側や譲り受ける側に費用が発生することがあります。
「個人間の無償譲渡:」
贈与とみなされ、受贈者に贈与税が発生します。
「個人から法人への無償譲渡:」
譲渡した側には譲渡所得税、譲渡される側には法人税が課されます(所得税法第59条)。
「所有権移転登記の必要:」
無償譲渡の場合も、所有権移転登記が必要です。
これは、登記原因として贈与契約が必要であり、登記手続きを行う費用が発生する可能性があります。
「無償で譲渡する方法」
- 隣人や知り合いに確認:
土地や建物を探している隣接地の所有者に確認することで、無償での譲渡が可能になる場合があります。
- 空き家バンクに登録:
地方公共団体が運営する空き家バンクに登録することで、購入希望者や借り手を見つけることができます。
- 不動産会社や買取業者に譲渡:
不動産会社や買取業者に無償譲渡することで、譲渡手続きがスムーズに行われる場合があります。
「注意点」
無償譲渡をする際は、手続きや税金の負担を考慮し、適切な方法を選択することが重要です。
また、無償譲渡が贈与とみなされる場合には、受贈者に対する税金が発生するため、その点も理解しておく必要があります。
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