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不動産価格が上昇し続けている背景

 現在、日本の人口が減少しているにもかかわらず、不動産価格が上昇し続けている背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。その主な理由は以下の通りです。

 

1. 世帯数の増加

 一人暮らしや少人数世帯の増加により、世帯数が増えています。

 例えば、2022年時点で一世帯あたりの平均構成人数は2.12人まで減少しており、1968年の3.76人から大きく下がっています。

 

 このような変化は、単身世帯や核家族世帯の増加、若年層の結婚率低下や晩婚化などによるものであり、結果として住宅の需要が高まっています。

 

2. 住宅の解体件数の増加

 住宅の耐用年数を超えた建物が増えており、それに伴い解体件数も増加しています。

 供給量が減る一方で需要が続くため、不動産価格は上昇しています。

 

 また、大手デベロッパーが供給量を絞ることで、価格を維持し、高値で売却する傾向もあります。

 

3. 外国人投資家の資金流入

 円安の影響により、外国人投資家にとって日本の不動産は割安であり、投資の魅力が高まっています。

 外国人投資家が日本の不動産市場に資金を投じることで、価格が押し上げられる要因となっています。

 

4. 人口減少と不動産価格の相関性の不在

 人口の減少が進んでいるにもかかわらず、中古マンションや戸建て住宅の成約価格は上昇を続けています。

 

 これは、人口と建物価格、地価には直接的な関連性がないことを示しています。

 価格の変動には他の要因(例えば、世帯数の増加や投資動向)が大きく影響しています。

 

結論

 不動産価格の動向は、人口減少だけでなく、多様な要因が絡み合った結果であり、今後も必ずしも人口減少と価格下落が直結するわけではありません。

 現状では、需要の変動や外部投資の影響などが、不動産価格に強い影響を及ぼしていると考えられます。