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中抜き行為の具体的なパターン

 不動産売買における「抜き行為」は、媒介契約を結んだ不動産仲介会社(元付け業者や客付け業者)を無視して、売主や買主が直接交渉を行い、仲介手数料を支払わずに契約を成立させる行為を指します。

 

 このような行為は、不動産仲介会社の正当な権利を侵害するものであり、民法の不法行為とみなされることがあります。

 

「中抜き行為の具体的なパターン」

  • 売主が元付け業者を通さずに直接買主を見つける場合

 元付け業者を通さずに、売主が直接買主を見つけて契約を成立させる行為です。

 この場合、元付け業者には仲介手数料が支払われません。

  • 売主が元付け業者から紹介された買主と直接連絡を取り契約する場合

 元付け業者が紹介した買主と売主が直接連絡を取り合い、元付け業者を外して契約を成立させる行為です。

  • 元付け業者が客付け業者を通じて紹介された買主に個別で連絡を取り契約する場合

 元付け業者が客付け業者の仲介を通じて得た買主に対し、客付け業者を飛ばして直接契約を成立させる行為です。

  • 客付け業者が売主の情報を調べて個別で連絡を取り契約する場合

 客付け業者が、元付け業者を通さずに売主に直接連絡を取って契約を成立させる行為です。

 

「中抜き行為のリスクと法的リスク」

 中抜き行為が発生した場合、民法130条に基づき、「故意にその条件の成就を妨げた」とみなされる可能性があります。

 

 これにより、以下のリスクが発生します:

  • 仲介手数料の支払い義務

 仲介を依頼した売主や買主は、仲介手数料を支払う義務があります。

 違約金や仲介業務にかかった費用も請求される可能性があります。

 

不法行為とみなされるリスク

 売主や買主が不動産会社を通さずに契約を進めた場合、民法の不法行為とみなされることがあり、法的な責任を負うことがあります。

 

「中抜き行為とならない方法」

 不動産会社の変更は、適切な手続きを経れば中抜き行為にはなりません。

 以下の点を守ることが重要です:

  • 一般媒介契約の場合

 複数の不動産会社に依頼することができるため、変更には問題ありません。

  • 専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合

 契約期間の上限は3カ月と定められており、契約期間満了後に適切に解約手続きを行えば、他の会社に変更することが可能です。

 

まとめ

 不動産売買における中抜き行為は、法的にリスクが高いため、媒介契約を遵守し、正当な手続きを踏むことが重要です。

 不動産会社を選ぶ際には、信頼できるパートナーを見つけ、最後まで安心して依頼できるようにすることが大切です。