令和5年度の税制改正についてです。
改正点を整理しておくと、以下のようなポイントがあります。
1. 110万円基礎控除の創設
改正内容:
令和5年度から、相続時精算課税制度にも年間110万円の基礎控除が適用されることになりました。
これにより、年間110万円までの贈与については贈与税の申告が不要になります。
また、基礎控除額は相続財産に加算されません。
これにより、精算課税制度を選択する際のハードルが下がり、節税効果が高まりました。
2. 土地または建物が被災した場合の加算額の修正
改正内容:
災害で価値が減少した土地や建物について、被害を受けた部分を贈与財産の価額から控除できるようになりました。
これにより、不合理な部分が是正されました。
3. 精算課税制度の適用対象者
適用対象者:
60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の直系卑属(子や孫)に対して適用されます。
4. 特別控除額
特別控除額: 2,500万円の特別控除が一生涯で適用されます。
5. 税額計算
計算方法:
基礎控除110万円と特別控除額2,500万円を超えた金額に一律20%を乗じて計算します。
6. 申告手続き
申告手続き:
精算課税を選択する場合は、贈与を受けた最初の年の翌年の確定申告期限までに税務署に「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります。
Q&A
- 贈与税申告:
基礎控除110万円以下の場合には贈与税の申告は不要ですが、相続時精算課税選択届出書の提出は必須です。
- 暦年贈与と精算課税:
同一年に暦年贈与と精算課税贈与の両方を受けることはできませんが、年の途中での養子縁組などにより適用対象が変わる場合には例外があります。
この改正によって、精算課税制度の使い勝手が向上し、より多くの人がこの制度を利用しやすくなったと思われます。
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