この判例(平成元年11月10日最高裁判決)では、検察官を被告とする認知の確定判決に対する再審の訴えと、認知を求められた父の子の原告適格について、最高裁判所が以下のような見解を示しています。
1. 認知を求められた父の子の原告適格の否定
最高裁判所は、検察官を相手方とする認知の訴えにおいて、認知を求められた父の子は、その訴えの確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有するものではないと判断しました。
2. 再審の訴えの性質と原告適格
再審の訴えは、民事訴訟法(民訴法)に規定されており、確定判決の取消しおよびその確定判決に係る請求の再審理を目的とする一連の手続きです(民訴法第427条および第428条)。
再審の訴えの原告は、確定判決の本案についても訴訟行為を行うことができることが前提となります。
3. 認知を求められた父の子の訴訟上の地位
認知を求められた父の子は、認知の訴えの当事者適格を有していません(人事訴訟手続法第32条第2項および第2条第3項)。
このため、その子はその訴えに補助参加することはできるものの、独立して訴訟行為を行うことができません。
4. 結論
したがって、認知を求められた父の子は、検察官を相手方とする認知の訴えに対する確定判決についての再審の訴えの原告適格を有することはできないと解されます。
- まとめ
この判例では、認知を求められた父の子が原告として再審の訴えを提起することはできないとされています。
再審の訴えは、訴訟の確定判決を取り消し、再審理を求めるものであるため、当事者適格を持たない父の子はその手続きにおいて独立した原告としての地位を有しないとされています。
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