この裁判(平成11年6月11日最高裁判決、事件番号 平成10(オ)1077)では、遺産分割協議が詐害行為取消権の行使対象となり得るかどうかが争点となりました。
最高裁判所の見解:
- 遺産分割協議は、詐害行為取消権の行使対象となり得ると判断されました。
- 判決の理由:
遺産分割協議は、相続開始によって共同相続人に共有されることになった相続財産について、その帰属を確定させるための法律行為です。
その性質上、遺産分割協議は相続人間で財産権に関する法律行為であるため、債権者に対する不利益がある場合、詐害行為取消権の行使対象となり得るものと解されます。
- 裁判のポイント:
遺産分割協議が一部の相続人に有利に行われ、債権者に対する不利益が生じた場合、債権者はその協議を詐害行為として取消すことができるということが、この判決で確認されました。
詐害行為取消権は、債権者が債務者による不当な財産処分を取り消し、債権回収を保護するための権利であり、この権利が遺産分割協議にも適用されることを認めています。
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