この裁判(平成17年7月11日最高裁判決、事件番号平成14(行ヒ)181)では、固定資産評価審査決定の取消訴訟に関して裁判所の見解が示されました。
主なポイントは以下の通りです。
1. 審査決定の適否
固定資産評価審査委員会が認定した土地の価格が、基準年度における賦課期日における適正な時価または評価基準によって決定される価格を上回っていないかが争点となります。
裁判所は、訴訟においてこの適正な時価等を認定し、審査決定がその価格を上回るかどうかを審理します。
2. 取消し範囲の特定
裁判所が審理の結果、基準年度の賦課期日における適正な時価等を認定し、固定資産評価審査委員会の認定した価格がそれを上回っている場合、その超過部分のみを取り消すことが適当であるとされています。
したがって、審査決定の一部を取り消す判決をすることによって、紛争を早期に解決することが可能となります。
3. 全部取消しと一部取消し
納税者が審査決定の全部の取消しを求めた場合であっても、裁判所が認定した適正な時価等を超える部分のみを取り消せば足りるとしています。
これは、全体の取消しではなく、問題となる部分に限って取消しを行う方が合理的であるという見解です。
この判決により、固定資産評価審査に関する紛争は、適正な時価の範囲内で早期に解決される道が示され、全体の取消しを求める場合でも一部取消しが妥当であることが確認されました。
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