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名義預金のパターン

 名義預金についての解説です。

 要点を整理すると、名義預金とは、名義が他の人にされている預金でありながら、実際には被相続人がその資金の原資であり管理していた場合に該当します。

 これは税務上の問題となることが多く、相続税の評価において慎重な対応が必要です。

 

1. 名義預金の意義

 名義預金は法律用語ではなく、俗称であり、被相続人の原資であり管理していた預金を指します。

 

2. 名義預金の評価

 評価基準は法令で定められていないため、以下の5要件を総合的に考慮して評価されます。

  • 原資:  資金の出所が誰か
  • 管理:  預金の管理者や意思決定者
  • 利益:  利子や配当の帰属先
  • 経緯:  名義変更の背景
  • 関係:  名義人との関係

3. 税務調査で否認される名義預金のパターン

 いくつかの実例が挙げられています。

  • 妻のへそくり:

 夫の収入から貯まった預金

  • 子や孫名義の定期積立:

 被相続人が子や孫のために積み立てた預金

  • 共働き夫婦の預金:

 夫婦間で混在する預金

  • 共有名義の賃貸不動産の賃料:

 全額が名義人の口座に入金されているケース

  • 実家暮らしの子が家にお金を入れる:

 子の名義で貯めた預金

  • 子のお年玉:

 親が内緒で貯めたお年玉

 

4. 名義預金の評価実務と税理士

 名義預金の評価は非常に難易度が高く、税理士が過去の判例や裁決に基づいてロジックを組み立てる必要があります。

 

 経験豊富な税理士に依頼することが重要で、名義預金に関しての評価は慎重に行うべきです。

 過大評価や不正確な評価は、後の税務調査で問題となり得るため、最初の申告が非常に重要です。

 

 このような複雑な問題については、専門家のアドバイスを受けるのが良いですね。