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許可、特許、認可の違いについて

 許可、特許、認可の違いについて簡単に説明すると、それぞれが行政行為として異なる意味を持ち、特定の行為や権利に対しての規制や承認が異なります。

 

 「許可」

 許可とは、一般的に禁止されている行為を特定の条件下で許す行政行為のことです。

 つまり、法律で一旦は禁止されている行為に対して、条件が整えばその行為を行えるようにする許可を与えるものです。

例: 医師の免許、自動車運転免許、飲食店の営業許可など。

 

特徴:

  • 禁止の解除:

 特定の要件を満たした場合にのみ、許可が下りる。

 行政行為として一般的で、許可を得ることで個人や企業が活動できるようになる。

 

 「特許」

 特許とは、特定の個人や法人に対して、新しい権利や法律上の地位を設定するための行政行為です。

 これは、一般的に誰でも行えるものではなく、特定の資格や能力を持った人に対してのみ与えられる特別な権利です。

 

例: 外国人の帰化、放送事業者の免許、漁業権の設定、鉱業権の設定など。

特徴:

  • 新しい権利の創設:

 それまで存在しなかった新しい権利や地位を特定の人に付与する。

  • 限定された対象:

 特許は一般的に広く認められるものではなく、特定の資格や条件を満たした人に限られる。

 

 「認可」

 認可とは、ある法律行為を補完し、最終的にその法律行為を有効にするための行政行為です。

 つまり、すでに成立した行為や契約に対して、行政が承認することでその行為が法律的に有効となるものです。

 

例: 農地の権利移転の許可、運賃の認可、医薬品の製造販売承認など。

 

特徴:

  • 行為の補充・完成:

 すでに行われた契約や行為に対し、認可を得ることでその行為が最終的に有効となる。

  • 特定の法的行為に適用:

 認可は主に特定の行為に対して必要とされ、特に公共の利益や安全に関わる分野で用いられることが多い。

 

まとめ

  • 許可:  一般的な禁止を解除して特定の行為を認める。
  • 特許:  特定の個人や法人に新しい権利や地位を与える。
  • 認可:  既に成立した法律行為に対して承認を与え、その行為を完成させる。

 それぞれの違いは、行政がどのように行為や権利を制限・承認し、またどのような形でその行為が有効になるかという点にあります。