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行政契約・行政指導とは

 行政契約とは

 

 行政契約とは、国や地方公共団体などの行政主体が、他の行政主体や個人(私人)と対等な立場で結ぶ契約のことです。

 この契約は、行政が行う公共事業や行政サービスを円滑に進めるために、一般の契約と同様の形式で結ばれます。

 たとえば、以下のようなケースが行政契約に該当します。

  • 土地の売買契約:

 行政が公共事業のために私人の土地を購入する契約。

  • 建築請負契約:

 行政が建設会社と結ぶ建築工事の契約。

 ただし、行政契約は法律や行政法の原則に反してはいけません。違法な契約は無効となります。

 

 行政指導とは

 行政指導は、行政機関が行政目的を達成するために特定の個人や団体に対して、行動を求めたり、アドバイスや勧告を行うことです。

 

 行政指導は、強制力を持たないため、指導を受けた相手側が従うかどうかは任意です。

 具体的には、行政手続法に基づき、行政指導には以下の特徴があります。

  • 行政目的の達成を目的としている。
  • 相手方に「やりなさい」「やるな」と指示をするが、これは強制力がない。
  • 行政指導に従わなかったとしても、不利益な扱いを受けることは法律上禁止されています(ただし、従った場合に補助金などの利益が与えられることはあります)。

行政指導の特徴

  • 強制力がない:

 行政指導は相手の協力があって成り立つものであり、従うかどうかは相手方の自由です。

 従わなかったとしても罰則はありません。

  • 不利益な取り扱いは禁止:

 行政指導に従わなかったからといって、行政機関が相手に対して不利益な扱いをしてはいけないとされています。

  • 任意の協力が前提:

 行政指導はあくまでも相手方の自主的な協力によって成り立つものです。

 

 このように、行政契約は対等な立場での契約であり、行政指導は強制力のないアドバイスや指導という違いがあります。