株式の譲渡制限と関連するルールについて、以下に概要を説明します。
1. 株式の譲渡制限
原則として、株式は自由に譲渡できますが、会社は発行する株式の全部または一部に「譲渡制限」を設定することができます。
この譲渡制限株式を譲渡する際には、会社の承認が必要です。
こうした譲渡制限株式を持つ会社は、株主構成を安定させ、意図しない人物への株式の移転を防ぐことができます。
2. 公開会社と非公開会社
- 公開会社:
株式の一部でも譲渡制限のない株式を発行している会社。
- 非公開会社(公開会社でない株式会社):
すべての株式が譲渡制限株式である会社。
会社法上、正式な用語として「公開会社」は存在しますが、「非公開会社」という用語はなく、「公開会社でない株式会社」と表現されます。
3. 権利株と株券発効前の株式の譲渡
- 権利株:
会社設立前または新株発行前の株式引受人の地位を指します。
権利株の譲渡は、当事者間では有効ですが、会社成立後にその譲渡を株式会社に対抗することはできません。
- 株券発行会社における株式譲渡:
株券発行会社では、株券が交付されない限り、譲渡の効力は会社に対しては生じません。
ただし、自己株式の処分による株式譲渡を除きます。
4. 自己株式の取得、子会社による親会社株式の取得
- 自己株式の取得:
株式会社は自社の株式を取得することが認められています。
- 子会社による親会社株式の取得:
原則として子会社は親会社の株式を取得できません。
しかし、合併などの例外的な状況では一時的に親会社の株式を取得することが認められることがありますが、その場合でも子会社は取得した株式を適切な期間内に処分する義務があります。
これらのルールは、株主構成の安定化や会社の支配権の維持を目的としたもので、特に非公開会社では株式の譲渡制限が重要な役割を果たします。
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