「相続は立て続けに起こる可能性がある」
配偶者の税額軽減の特例を活用すれば、配偶者が多くの財産を相続する際の税負担を大幅に軽減できます。
しかし、その配偶者が亡くなった際には、再びその財産に対して相続税が課せられる、いわゆる「二次相続」の場面が訪れます。
二次相続では、一次相続の際に適用された配偶者の税額軽減の特例はもう使えなくなります。
また、法定相続人が一人減るため、相続税の基礎控除額も減少し、結果的に相続税額が増加する可能性があります。
そのため、一次相続と二次相続の両方を見据えた財産分割を行い、全体としての相続税負担を軽減する工夫が大切です。
「一次相続・二次相続の比較を元に節税を計画する」
二次相続が近いと予想される場合には、配偶者に財産を分けず、子どもたちに多くを相続させるという方法もあります。
これは特に、配偶者が高齢で二次相続が早期に発生しそうな場合には有効です。
配偶者が相続する財産の額を抑え、その分を次の世代に早めに移すことによって、全体の相続税負担を減少させることが可能です。
このように、財産の分割の際には、相続税額のシミュレーションを行い、最も税負担が少なくなる方法を選択することが重要です。
「配偶者が相続するべき財産とその選び方」
一次相続と二次相続のトータルの相続税負担を軽減するためには、まず配偶者の税額軽減を最大限に活用することが基本となります。
そして、相続した財産を活用した生前贈与などの節税対策を取り入れることで、二次相続に備えることができます。
例えば、配偶者が一次相続で受け取った預貯金を生前に子どもに贈与することも効果的な方法のひとつです。
これにより、次世代への財産移転がスムーズに進み、二次相続時の課税財産が減少します。
また、将来の価値変動を見据えた不動産選択も重要です。
たとえば、将来的に値下がりが予想される不動産を配偶者が相続すれば、二次相続時に
その不動産の評価が下がり、課税対象となる財産の額が減少します。
反対に、収益を生む不動産や価値の上がりそうな土地は配偶者が相続しないという選択も考えられます。
これは、財産を次世代に早めに移すことで、次の相続時の税負担を減らすためです。
「配偶者の生活を確保するためのバランス」
節税対策だけに目を向けすぎて、配偶者の生活に必要な資金を十分に確保しないと、配偶者の生活が困難になることがあります。
特に、配偶者の年齢や体調、将来の生活費の見通しも考慮した上で、どの財産を相続させるかを慎重に判断する必要があります。
まとめ
- 一次相続と二次相続を見越した相続対策が重要。
配偶者の税額軽減を活用しつつ、トータルの相続税負担を軽減する計画を立てる。
財産の価値変動や配偶者の生活に配慮しながら分割を行うことが大切
基礎控除額
相続税の基礎控除は、「3000万円 + 600万円 × 法定相続人の人数」で計算され、無条件で適用される控除です。
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