家族信託をめぐる注意点

「家族信託をめぐる注意点」

l 親族仲が悪化するリスク　親の了解を得ず家族信託を進めると、きょうだい間や親子間で不信感が生まれ、関係悪化に繋がるケースがある。

l 信託できない財産の問題　農地や通常の預貯金口座は原則信託できない。

　預貯金を信託したい場合は、家族信託専用口座に資金を移す必要がある。

l 高額な税金が発生する可能性　受益権を孫など第三者に設定すると贈与税が課される。

また、信託終了時の登記では高い登録免許税率が適用されるリスクがある。

l 「１年ルール」による信託終了　受託者と受益者が同一人物となり、その状態が１年続くと信託契約が　終了する。

　第二受託者を設定するなどの対策が必要。

l 認知症進行による契約不能リスク　親に契約能力がなくなると信託契約が締結できない。

　準備や調整に時間がかかる場合は特に注意が必要。

l 自作契約書によるトラブル　インターネットの雛形は不備が多く、矛盾した契約内容で将来トラブルになる危険がある。専門家の関与が必須。

l 遺留分トラブルの危険性　特定の相続人に偏った財産承継を設定すると、他の相続人から遺留分請求を受ける可能性があり、金銭支払いの備えが必要。

l 経験不足の専門家による失敗　家族信託は締結後の運用も重要。

　経験の少ない専門家に依頼すると、予定外の事態に対応できずトラブルを招くことがある。

l 損益通算ができなくなるリスク　信託したアパートの損失は他の不動産収益と通算できないため、所得税負担が重くなる場合がある。特に大規模修繕時は注意。