仮執行宣言とは、財産権に関する請求に対する判決で、裁判所が原告に有利な判決が出た場合、その判決が確定する前でも直ちに強制執行ができるようにするための宣言です。
これにより、判決が確定するまでの間に、被告が財産を隠すなどして債務の履行を免れるのを防ぐことができます。
「仮執行宣言の要件と内容」
申立てまたは職権で、裁判所が仮執行宣言を行うことができます。
担保を立てるかどうかは裁判所の裁量です。
担保を立てることが条件となる場合もあれば、立てずに仮執行を認めることもあります。
- 手形・小切手による金銭請求の場合
手形や小切手による金銭の支払請求に関する判決では、裁判所は必ず仮執行宣言を付しなければなりません。
これは、無担保での仮執行が原則です。
ただし、裁判所が相当と認める場合は、担保を立てることを求めることができます。
- 仮執行免脱宣言とは?
仮執行免脱宣言は、裁判所が被告の申立てや職権により、担保を立てることを条件に仮執行を免除することができるという宣言です。
これにより、被告は担保を提供することで、仮執行を防ぐことができます。
- 仮執行免脱の担保
担保は必須であり、仮執行免脱を求める場合、被告は担保を提供しなければなりません。
この担保は、訴求債権(本来の請求債権)ではなく、仮執行によって執行が遅れた場合に発生する損害を補償するための損害賠償債権を担保するものとされています(判例・通説)。
仮執行宣言や仮執行免脱宣言は、訴訟の迅速な進行や債権者保護を図るための重要な手続きです。
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