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家族信託の手続きの大まかな流れ

【家族信託の手続きの大まかな流れ】

 手続き① 

l 家族信託の内容を話し合い、合意を得る

l 家族全員で家族信託の目的を共有・決定。

l 委託者・受託者以外の家族の意見も聞き、トラブル防止。

l 専門家同席で内容を検討するケースも多い。

 手続き② 

l 話し合った内容を契約書に盛り込む

l 決定事項を具体的な表現で契約書に反映。

l 税務・登記リスクがあれば司法書士・弁護士・税理士に相談。

l 公正証書にしておくとトラブル防止に有効。

 手続き③ 

l 財産の名義を移す

l 不動産は受託者へ信託登記し、信託目録を作成。

l 預金も専用信託口座に移して管理。

 手続き④ 

l 財産管理専用口座を開設

l 信託財産の現金・預金を専用口座で分別管理する。

【家族信託に関する注意点】

l  家族信託の「30年ルール」

 信託開始から30年経過後に受益者が死亡すると、信託終了。

 家族信託の効果は無期限ではない点に留意。

l 遺言代用信託・信託宣言

 「遺言代用信託」:死亡後に受益権を特定者へ承継可能。

 「信託宣言」:委託者自身が受託者となり、倒産隔離機能を持つ(ただし濫用注意)。

【家族信託を個人で行うメリット・デメリット】

 メリット(費用節約・プライバシー保持)

l 専門家報酬が不要で、実費(印紙代、公正証書手数料等)のみ。

l 家族情報を外部に漏らさず進められる。

 デメリット(トラブルリスク・契約書不備)

l 法務・税務の専門知識不足によるトラブルリスクあり。

l 契約書不備により、認知症発症後に修正不可となる恐れ。

l 他の家族に不信感を与え、相続時にもめる可能性あり。

【専門家に家族信託を依頼した場合の費用相場】

l 相談・コンサルティング料

 30~80万円(信託財産額による:1億円以下なら1%)

l 公正証書作成費用

 10~15万円+手数料3~10万円

l 登録免許税(不動産信託時)

 不動産価格の1000分の4(※土地は軽減措置あり1000分の3)

l 信託登記報酬

 専門家に依頼する場合は別途10~15万円程度必要。