仮登記は、不動産登記における「順位の保全」のために行われる登記の一種です。
仮登記そのものには対抗力がないものの、最終的に本登記に変更された際には、仮登記をした時点の順位で権利が確定されるため、その間に行われた他の登記よりも優先されることが保証されます。
仮登記の目的
主に以下の2つの場面で仮登記が利用されます:
- 書類が揃わない場合
権利変動が生じているが、登記に必要な書類が揃わない場合、順位を保全するために仮登記を行います。後に書類が揃い次第、仮登記を本登記に変更します。
- 権利変動の予約がある場合
将来的に権利変動が予定されている(例えば、不動産の売買予約や将来の契約が確定する見込みがある場合)際に、現時点で仮登記を行っておくことで、他の登記が入っても仮登記の順位が優先されるようにします。
「仮登記の効力」
仮登記には以下の効力があります:
- 順位の保全:
仮登記がなされた時点で、登記の順番が確保され、後から行われた他の登記よりも優先されます。
- 対抗力はない:
仮登記は「仮」であるため、第三者に対して直接的な対抗力は持ちませんが、本登記が行われた場合には、仮登記時点の順位でその権利が確定されます。
「仮登記の申請方法」
仮登記は、原則として登記権利者と登記義務者の共同申請によって行われます。
ただし、以下の例外があります:
- 登記義務者の承諾がある場合
この場合、登記権利者が単独で申請を行うことができます。
- 裁判所の命令がある場合
裁判所が仮登記を命じる場合には、登記権利者が単独で仮登記を申請できます。
仮登記は、特定の事情で本登記がすぐに行えない場合に、その権利を保全する重要な手続きとなります。
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