【契約の申込みと承諾に関する要点】
1. 隔地者に対する意思表示の効力発生時点
申込みの効力発生時点: 申込みの通知が相手方に到達した時点(到達主義)。
承諾の効力発生時点: 承諾の通知を発した時点(発信主義)。
ポイント
申込者は申込みが相手に到達するまでは自由に申込みを撤回することができます。
2. 承諾期間を定めた申込み
承諾期間内であれば申込みは撤回できず、その期間内に承諾がなければ申込みは効力を失う。
遅延した承諾: 申込者は遅れて到着した承諾を「新たな申込み」とみなし、それに対して承諾することで契約を成立させることができる。
3. 表意者が申込みを発した後に死亡・行為能力喪失した場合
申込み後に表意者が死亡または行為能力を失っても、相手方が承諾すれば契約は成立する。
ただし、以下の場合には申込みの効力が失われる。
- 表意者が反対の意思を表示した場合
- 相手方が表意者の死亡や行為能力喪失の事実を知っていた場合
4. 交叉申込み(こうさもうしこみ)
偶然にも双方が同時に同内容の申込みを発した場合を交叉申込みといいます。
民法には規定はないが、契約は成立すると考えられています。
5. 申込みの誘因
- 申込みの誘因:
相手方に申込みをさせるための意思表示(例:求人広告、スーパーのチラシなど)。
申込みの誘因は民法上の「申込み」ではなく、それに対する承諾があっても契約は成立しません。
- 民法上の「申込み」の要件
民法上の「申込み」は、相手方の承諾があれば直ちに契約が成立する程度の具体性が求められる。
例として、「タクシーの空車表示」は「申込み」と考えられる。
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