復代理とは、代理人がさらに代理人を選任することを指し、選任された者を「復代理人」といいます。
復代理は以下のように整理できます。
1. 復代理の基本的な考え方
- 復代理人は本人の代理人である
復代理人は、代理人を代理するわけではなく、「本人(依頼者)」の代理人となります。
そのため、復代理人の行為の結果は、代理人を経由せず、直接本人に帰属します。
2. 任意代理と復代理の選任
- 任意代理の場合の選任要件
任意代理とは、本人が代理人に依頼して特定の行為を行わせることを指します。
この場合、代理人が復代理人を選任するためには以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 本人の許諾を得ること
本人が復代理人の選任を承諾した場合です。
代理人が「あとやっといて」と無断で他者に依頼すると、本人の意向に反する可能性があるため、事前に承諾を得ることが必要です。
- やむを得ない事由があること
急病など、代理人が自ら行為を行えないやむを得ない事情がある場合です。
3. 復代理の選任と監督責任
- 代理人の責任
代理人が復代理人を選任した場合、その選任及び監督について、本人に対して責任を負います。
信頼できる者を選び、適切に監督する義務があります。
- 本人が指名した場合の例外
本人が具体的に復代理人を指名した場合、代理人は通常の選任・監督責任を負いません。
ただし、不適任であることを知りながら本人に通知しなかった場合などは、責任を負います。
4. 法定代理と復代理
- 法定代理人の場合
未成年者の親権者や成年後見人など、法定代理人は、原則として本人の許諾を得ることなく復代理人を選任できます。
法定代理人は本人の判断能力が不十分な場合に代理するため、本人の許諾を得ても意味がないためです。
- 全責任を負う場合
自らの意思で復代理人を選任した場合、選任の結果全てについて責任を負います。
- やむを得ない事由がある場合
急病やその他の事情がある場合は、選任・監督についての責任のみを負います。
5. 復代理人の権限
- 復代理人の権利と義務
復代理人は、代理人と同様に、本人に対して同じ権利と義務を有します。
これは、復代理人が行った行為の責任が、代理人を経ずに本人に直接帰属するためです。
6. 復代理の終了
- 代理人の代理権喪失時
代理人が代理権を失った場合、復代理人も代理権を失います(例えば、代理人が死亡した場合など)。
まとめ
復代理とは、代理人がさらに代理人を選任することであり、復代理人は「本人の代理人」として、代理人を経ずに本人に対して責任を負います。
選任や監督に関する代理人の責任や、法定代理人の場合の特別な規定を把握することが重要です。
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