法律行為における「条件」と「期限」について、以下のように整理してみます。
1. 条件と期限の違い
- 条件: 発生が不確実なもの。
例: 「私が死んだら」
- 期限: 発生が確実なもの。
例: 「次の月曜日」
2. 期限の種類
- 確定期限: 到来日が確実な場合。
例: 特定の日付。
- 不確定期限: 到来日が不確実な場合。
例: 「次雨が降った日」
3. 期限の役割
- 始期: 効果が発生する時点。
例: 「次雨が降った日に君に馬をプレゼントする」
- 終期: 効果が消滅する時点。
例: 「馬をプレゼントするけど、次雨が降った日に返して」
4. 条文での確認
第135条:
- 始期がある場合、期限到来まで履行を請求できない。
- 終期がある場合、期限到来時に効力が消滅。
5. 期限の利益
例: 1年後に返す約束で50万円を借りた場合、借り手はその1年間お金を使える権利がある。
第136条:
- 期限は債務者の利益のために定めたものと推定される。
- 期限の利益は放棄可能だが、相手方の利益を害してはならない。
6. 期限の利益の喪失
第137条: 特定の事由により期限の利益を主張できない場合。
- 債務者が破産した場合。
- 担保を滅失、損傷、減少させた場合。
- 担保を供する義務を果たさない場合。
7. 具体例
借金の担保に高価な品物(例: ROLEX)を用意すると約束したのに、品物を供さなかった場合、その信用を失い、期限の利益を喪失する可能性がある。
このように、条件と期限を理解することは法律行為の効果を正しく把握するために重要です。
特に、期限の利益や喪失についての理解は、債務者と債権者の関係を明確にするのに役立ちます。
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