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不動産価格の推移を知る方法と便利な調査ツール

 不動産価格の推移を知る方法と便利な調査ツール

 

 不動産価格の動向を調べる際には、「不動産価格指数」と「公示地価」が参考になります。

 まず、「不動産価格指数」は、国土交通省が2012年から毎月発表している指標で、住宅地や商業地ごとに価格の変動を把握できます。

 実際の取引価格に基づき、物件の個別事情を排除したうえで統計処理されているため、全体的な相場感をつかむのに役立ちます。

 

 一方、「公示地価」は、標準的な土地について毎年1月1日時点の1㎡あたりの価格を調査したもので、同じく国土交通省が年1回発表します。

 不動産評価や税金計算の基準になる重要な指標で、地域別の土地の値動きを比較することができます。

 

 次に、実際の不動産取引価格(実勢価格)を確認する方法としては、いくつかの公的・民間サイトが有効です。

 

 代表的なものの一つが「土地総合情報システム」で、過去の不動産取引データを地域・用途・面積などで検索できます。

 また、「レインズマーケットインフォメーション」は、不動産業界のネットワーク「レインズ」に登録された取引データの一部を一般向けに公開しており、簡易な価格相場の把握が可能です。

 

 さらに、自分が所有する不動産の価格を知りたい場合には、無料の一括査定サイトを利用すると便利です。

 たとえば、「すまいValue」は、大手不動産会社6社(うち三井不動産、住友不動産、東急リバブルなど)による共同運営で、安心感を重視したい人におすすめです。

 また、「SUUMO(スーモ)」は、全国対応で最大10社に査定依頼でき、地域密着型の会社も含まれるため、多角的に相場を比較したい人に向いています。

 さらに、「SRE不動産」はソニーグループによる査定サービスで、売主側に立った専門エージェント制度やAI査定を特徴としています。

 ただし、対応エリアは首都圏・関西圏に限られる点には注意が必要です。

 

 このように、公的な指標と実際の取引データ、そして査定サイトを組み合わせることで、不動産価格の推移や現在の価値をより正確に把握することができます。

 不動産の売却や資産管理を検討している方は、複数の情報源を活用し、納得のいく判断をすることが重要です。