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家族信託はどんなときに使えるか

 「家族信託はどんなときに使えるか?」

 家族信託は、親や祖父母が認知症になった際、子どもが代わりに財産管理や不動産売却をできる制度です。

 財産はあくまで親のために使われるため、生活費や医療費にも活用可能です。

 また、父親が収益不動産を持つ場合も有効で、認知症発症後も子が管理を引き継ぐことで、賃貸経営を止めずに済み、父親は収益を得ながら楽隠居が可能です。

 さらに、知的障がいのある子どもを持つ家庭でも活用され、「親亡き後問題」の解決策となります。

 信頼できる兄弟姉妹に財産を信託し、障がいのある子の生活費に使ってもらい、亡くなった後は施設や兄弟に財産を承継することも可能です。

 

家族信託の6つのメリット

  •  判断能力に関係なく財産管理が継続 

 認知症になっても、子が自由に財産を管理・処分できるため、凍結リスクが回避可能です。

  •  遺言のように承継者を指定できる 

 財産の次の承継者だけでなく、さらに次の世代まで指定でき、遺言より柔軟な継承が可能です。

  • 不動産の共有リスクを回避 

 共有者の一人が認知症になると不動産が動かせなくなるリスクを、信託で一元管理することで防げます。

  • 後見制度より柔軟な運用が可能 

 投資や事業継続など、積極的な財産運用も子の判断で行える点が後見制度との大きな違いです。

  • 遺産分割協議が不要に 

 相続時に承継者を指定しておけば、分割協議が不要になり、トラブルや手続きを軽減できます。

  • 倒産隔離機能がある 

 受託者(子)が破産しても、信託財産は差し押さえ対象になりません(ただし、受益者側のリスクは別途あり)。

 家族信託は、財産を守るだけでなく、「家族を守る仕組み」として広がっています。