2025年の不動産市場展望:回復基調の中に潜む変化の兆し
2024年の不動産市場は、地価が3年連続で上昇し、オフィス・ホテルなどを中心に投資が活発化した年でした。
オフィスビルの空室率は改善し、賃料も上昇。
商業施設では都心回帰が進み、ホテルもインバウンド需要の回復とともに新規開業が相次ぎました。
一方、物流施設では供給過多により空室率の上昇が課題となっています。
2025年は、こうした堅調な流れを受け継ぎつつも、政策金利の動向や政治・経済の変化が不動産市場に与える影響が注目される年です。
特に、日銀の金利政策と日米両国の政権交代(日本では石破政権、米国ではトランプ政権の誕生)は、大きな不確定要素となっています。
日本では、石破政権が打ち出す「減税」や「地方創生」政策が、個人消費や地域経済を活性化させる可能性があります。
一方で、減税による実質手取りの増加が物価上昇と相殺されれば、景気の回復は限定的となる懸念もあります。
米国では、トランプ政権の復活により、「関税政策」と「減税政策」が再び注目されます。
特に中国に対する関税強化の影響は、国際経済にも波及する可能性があり、日本への影響も注視が必要です。
加えて、2025年の政策金利は今後の市場を大きく左右します。
すでに0.25%程度の利上げの可能性が取り沙汰されており、金利上昇は不動産の投資利回りや価格に影響を与える一方、経済成長が続く限り、価格下落を防ぐ力もあると考えられます。
株価との連動も無視できません。
過去のデータでは日経平均株価と不動産価格指数は連動しており、株高による投資マネーの流入が不動産価格を押し上げる要因にもなります。
2024年末に最高値を更新した日経平均が2025年上半期も高水準を維持すれば、不動産市場にも好影響が期待されます。
アセット別では、中古住宅市場の拡大や賃貸住宅の多様化が進むほか、オフィス市場は引き続き新規供給が続く見込みです。
商業施設では、再開発を伴う都心部への集中が続き、ホテルも外資系の進出が加速。
一方、物流施設はエリア間の需給バランスの調整が課題となるでしょう。
総じて、2025年前半は堅調な推移が見込まれますが、参院選後の経済政策やトランプ政権の具体的施策が明らかになる後半には、思わぬ変動が生じる可能性もあります。
市場の動きを細かく見ながら柔軟に対応する姿勢が求められる1年になるでしょう。
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