台帳記載事項証明書とは、建築確認済証や検査済証を紛失した際に、その代替として役所が発行してくれる証明書のことです。
これは建築確認や完了検査が実際に行われたことを示すもので、建築物の法的な手続きを証明する目的で発行されます。
建物の売買や住宅ローンの申し込み、重要事項説明書の添付資料としても使われる非常に重要な書類です。
本来、建物の建築にあたっては、設計段階で役所等に確認申請を行い、建築確認済証を取得します。
その後、工事完了時には完了検査を受け、検査済証が交付されます。
しかし、建物が建ってから年月が経つと、これらの書類が紛失されるケースが多くあります。
一度交付された確認済証や検査済証は、紛失しても再発行はできません。
そこで、確認済証や検査済証の記録が残っている「建築確認台帳」に記載された内容を証明する台帳記載事項証明書が活用されます。
台帳記載事項証明書には、建築確認年月日、確認番号、検査済証の交付日や番号などが記載されており、建築物が適法に建築されたことを第三者に証明する役割を果たします。
ただし、完了検査を受けていない建物には検査済証が交付されておらず、その情報は台帳にも記載されていないため、証明書の発行はできません。
また、古い建物で台帳自体が保存されていない場合も発行が不可能となります。
証明書は市区町村の建築指導課などで取得でき、手数料は多くの自治体で1通300円程度です。
最近ではメールで仮申請できる自治体も増えてきましたが、原則として窓口での受け取りが必要です。
申請に際しては、建築当時の地名地番(住居表示ではなく登記上のもの)、建築確認年月日、確認番号、建物の階数などの情報が必要になります。
これらの情報が不明な場合は、登記簿謄本に記載されている新築年月日をもとに、建築確認台帳を閲覧しながら建築主名、町名、敷地面積などを手がかりにして該当する台帳記録を探す必要があります。
なお、建築確認番号は新築登記の約4か月前が目安ですが、2年前までさかのぼって台帳を調べるケースもあります。
また、台帳記載事項証明書の様式や発行内容は自治体ごとに異なります。
建築確認と検査済証が別々の証明書で発行される自治体もあれば、一体化された様式もあります。
自治体によっては証明書の発行自体を行わず、建築確認台帳の閲覧のみで対応しているケースもあります。
その場合は、台帳記載内容をメモして利用する形になります。
このように、台帳記載事項証明書は、不動産取引や建物に関する法的手続きを行う上で、確認済証や検査済証が手元にない場合の重要な代替資料となります。
建物の履歴確認において欠かせない手段の一つであり、適正な不動産取引の裏付けとして活用されます。
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