成年後見人とは ― 相続・手続きに必要な知識まとめ
【1. 成年後見人とは】
認知症などで判断能力を欠くと、本人が契約などをしても無効とされ、不利益を受ける恐れがあります。
そこで、本人に代わって契約や財産管理を行う人
それが成年後見人です。成年後見人は家庭裁判所によって選ばれます。
【2. 相続における成年後見人が必要なケース】
ケース 成年後見人の必要性
遺産分割協議を行う 必要
遺言書がある 不要
法定相続分どおりに分ける 基本不要だが注意点あり
(共有名義問題)
【注意】 遺言書がなく、遺産分割協議もせず法定相続分で共有した場合、不動産の管理処分に支障が出やすいので実務上はおすすめできません。
【3. 成年後見人ができること(相続編)】
項目 内容
遺産分割協議への参加 本人の代理として協議に参加。利益確保が最優先。
相続放棄・限定承認 本人にとって有利か判断し、家庭裁判所と相談の上実施。
相続登記・税申告等 司法書士・税理士に依頼し、本人名義で手続きを進める。
手続きにかかる費用(専門家報酬や実費など)は、本人の財産から支払われます。
【4. 成年後見人の選任手続き】
手続きの流れを5ステップでまとめます。
ステップ 内容
① 書類セット入手 裁判所ホームページなどからダウンロード
② 診断書取得 かかりつけ医でOK。認知症の程度を診断。
③ 公的書類・財産資料の準備 戸籍謄本、住民票、資産一覧などを収集
④ 家庭裁判所へ申立て 本人の居所地管轄の家庭裁判所に申請
⑤ 面談・調査 → 審判確定 面談を経て、審判→2週間の確定期間
申立てから審判確定までの目安:2〜3か月程度
確定後、「審判書+確定証明書」
「後見登記事項証明書」で成年後見人としての資格を証明できます。
ポイントまとめ
l 成年後見人は相続でも非常に重要な役割
l 特に遺産分割協議をする場合には必須
l 遺言がない、判断能力がない相続人がいる場合は早めに準備を
l 適切な手続きのためにも司法書士や弁護士への早期相談が安心
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