建築物を建てる際には、「建築確認」と「完了検査」という2つの大きな審査を受ける必要があり、それぞれに対応する書類として「確認済証」と「検査済証」が交付されます。
これらは、建築基準法に基づいて建物が法令に適合していることを証明する重要な書類であり、不動産取引や住宅ローン申請時にも必要となるため、その役割と取得方法について理解しておくことが大切です。
まず、「建築確認」とは、建物を建てる前にその設計内容が法令に適合しているかどうかを審査する手続きのことです。
設計図面や申請書を提出し、確認が通れば「確認済証(建築確認済証、建築確認通知書)」が交付されます。
この証明書がなければ、工事を開始することはできません。
建築確認は新築に限らず、増築や改築、移転などにも必要です。
また、高さ2m超の擁壁など建物以外の工作物にも「築造確認」が求められます。
建築確認申請時には「建築計画概要書」もあわせて提出されます。
これは建築主や設計者、施工者などの情報や、建物の構造、敷地面積、高さ、階数などを記載したもので、役所での調査に利用されます。
概要書には建築確認番号や取得年月日なども記載されており、不動産の取引時にはこの書類の取得が重要になります。
次に、建物が完成したら建築主は「完了届」を提出し、建物が建築確認申請通りに完成しているかを確認するための「完了検査」を受けます。
これに合格すれば、「検査済証」が交付されます。
検査済証は、実際に建物が法令に適合して完成していることを証明するものであり、この交付を受けないと建物を使用することはできません。
ただし、完了検査を受けずに建築された建物も存在しており、その場合は検査済証が存在しません。
中間検査制度がある地域では、木造3階建てや鉄筋コンクリート造の建物など一定の条件下で、建築中に中間検査も実施されます。
これに合格すると「中間検査合格証」が発行され、次の工程へ進めるようになります。
不動産調査や取引においては、確認済証や検査済証が物件の適法性を裏付ける重要な資料となります。
これらが現存しない場合、「建築計画概要書」や「台帳記載事項証明書」により、建築確認や検査の履歴を確認します。
台帳記載事項証明書は、役所が保存する「建築確認台帳」に記載された内容(確認済証や検査済証の交付履歴)を証明するもので、確認番号や交付年月日を知るための手段として利用されます。
なお、確認済証や検査済証は一度交付されると再発行はできません。
また、建物が古い場合や、完了検査を受けていない場合、台帳に記録が残っていないこともあります。
そのため、登記簿上の新築年月日から逆算して、台帳を閲覧し建築主名や敷 地面積等を参考に対象建物を特定する作業が必要となることもあります。
まとめとして、「確認済証」は工事前の設計の適法性を証明する書類、「検査済証」は工事後の建物の適法性を証明する書類です。
いずれも不動産取引において重要な情報源であり、失われている場合は建築計画概要書や台帳記載事項証明書で代替情報を取得することが求められます。
こうした知識は、不動産売買や建物調査に関わるすべての人にとって不可欠です。

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