容積率(ようせきりつ)とは、敷地面積に対して建てられる建物の延べ床面積の割合を示す指標で、「この土地にどれくらいの規模の建物が建てられるか」を表します。
計算式は次の通りです:
容積率(%)= 延べ床面積(各階の合計) ÷ 敷地面積 × 100
■ 容積率の基本的な制限
容積率には大きく分けて2つの制限があります。
- 指定容積率(用途地域ごとに定められる上限)
- 基準容積率(道路の幅による制限)
この2つのうちどちらか厳しい方(小さい方)の数値が、その土地に適用されます。
① 指定容積率
指定容積率とは、都市計画で用途地域ごとにあらかじめ定められた最大容積率のことです。例えば:
第1種低層住居専用地域:50〜200%
第1種中高層住居専用地域:100〜500%
商業地域:200〜1300%
たとえば、100㎡の土地で指定容積率が300%の場合、最大で延床面積300㎡までの建物を建てることができます。
② 基準容積率(前面道路の幅員による制限)
敷地が接している道路が幅12m未満の場合、道路幅に応じた「基準容積率」の制限を受けます。
用途地域ごとの係数は以下の通り:
用途地域 |
掛ける係数 |
第1・2種低層/田園住居地域 |
40 |
第1・2種中高層住居専用地域 |
40(例外で60) |
その他(住居・商業・工業など) |
60(例外で40または80) |
たとえば、道路幅4mの第1種中高層住居専用地域であれば、
4m × 40 = 160%(基準容積率)
となり、指定容積率が200%だったとしても、160%までしか建てられません。
■ 適用の具体例
敷地面積:100㎡用途地域:第1種住居地域指定容積率:200%前面道路幅員:
4m → 掛ける係数60
→ 基準容積率:4m × 60 = 240%→ 指定容積率より緩いので、適用されるのは指定容積率200%
つまり、最大延床面積は 100㎡ × 200% = 200㎡
逆に、道路幅が3mなら3m × 60 = 180%<200%→ 容積率は180%に制限される
■ その他の注意点
1. 2つ以上の道路に接している場合は最も広い道路幅員で計算。
2. セットバック未了の2項道路は、道路幅員を4mとして計算。
3. 建ぺい率とは別の指標なので、併せて確認が必要。
■ まとめ
項目 |
内容 |
容積率 |
敷地面積に対する延床面積の割合(%) |
指定容積率 |
用途地域により都市計画で定められる上限値 |
基準容積率 |
接する道路の幅員 × 用途地域ごとの係数 |
適用されるのは? |
指定容積率と基準容積率の小さい方 |
容積率は、土地の有効活用の可能性や、建物の規模感に直結する大切な指標です。
建築計画や不動産取引の際は、必ず都市計画図と道路幅員をチェックしておきましょう。
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