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北側斜線制限(きたがわしゃせんせいげん)

 北側斜線制限(きたがわしゃせんせいげん)とは、主に住宅地での日照・通風を守るために設けられた建築物の高さ制限の一つで、建物が敷地の北側の道路または北側の隣地に面する場合に、その部分の建物の高さが制限されるルールです。

 

■ なぜ必要なのか?

 たとえば、あなたの家の南側(=相手の北側)に背の高い建物が敷地ギリギリに建てられたら、日当たりは非常に悪くなりますよね。

 このように、北側隣地の住人の日照や住環境を守るために設定されたのが北側斜線制限です。

 

■ どんな地域に適用される?

以下の用途地域で適用されます:

a.   第一種低層住居専用地域

b.   第二種低層住居専用地域

c.   田園住居地域

(※日影規制がない場合)第一種・第二種中高層住居専用地域

 商業地域や工業地域などでは、適用されません。

 

■ どうやって制限される?

 北側斜線制限では、敷地の北側境界線から一定の角度で引いた「架空の斜線(線)」を超えて建物を建てられないというルールです。

用途地域

基準の高さ

傾斜勾配

第1・第2種低層住居専用地域等

5m

1.25倍

第1・第2種中高層住居専用地域

10m

1.25倍

 

例えば、北側境界線から4m離れた位置に建てるなら、

 

 基準5m +(4m × 1.25)= 10mまでの高さの建物しか建てられません。

 

■ 影響と工夫

 この制限のため、住宅やマンションの北側上部が「斜めにカットされた」ようなデザインになることがあります。

 これは、建物のボリュームを確保しながら法規制をクリアする工夫です。

 また、マンションで北向きにルーフバルコニーが設けられるのも、北側斜線制限の影響です。

 居室は南側にまとめ、北側には階段室やバルコニーを配置することで、規制に対応しているのです。

 

■ 日影規制との関係

 北側斜線制限は、日影規制が導入されている中高層住居地域では適用されない場合があります。

 これは、日影規制自体が日照を守る目的を果たしているためです。

 

■ まとめ

a.   北側斜線制限=北側隣地の日照確保のため、建物の高さを制限する制度

b.   低層・中高層住居専用地域などに適用

c.   設計時には「斜線制限の内側」に建物を納めなければならない

d.   北側にバルコニーや階段を設けることで容積を確保する工夫も多い