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家族信託における不動産管理と信託報酬設定の注意点

 家族信託における不動産管理と信託報酬設定の注意点

 家族信託で親の賃貸不動産(アパートや駐車場など)を信託財産に入れる際、受託者への信託報酬の設定には注意が必要です。

 特に、親の不動産管理が「自主管理型」か「管理委託型」かによって考え方が異なります。

 

 まず、親が自ら賃借人とやり取りする「自主管理型」であれば、家族信託後は受託者が賃貸人として賃借人対応をすべて担います。

 この場合、受託者は不動産管理会社のような役割を果たすため、信託報酬は毎月の賃料収入の5~10%程度が目安です。

 一方、すでに不動産管理会社に委託している「管理委託型」の場合は注意が必要です。

 信託を行うと、受託者がオーナーの立場となり、改めて管理会社と契約を締結し直す必要があります。

 家賃は管理会社から受託者の口座に入金される形になりますが、ここで問題となるのが信託報酬の金額設定です。

 管理委託型の場合、管理会社に支払う手数料(例えば賃料の5%)とは別に、さらに受託者が10%前後の報酬を受け取ると、合計で15%の管理コストを支払うことになり、税務署から「もらいすぎ」と指摘される恐れがあります。

 受託者自身が管理業務をほとんど行っていないにもかかわらず高額な報酬を得ていると見なされるためです。

 こうしたリスクを回避するには、例えば受託者が賃料の10%を報酬として受け取り、そこから5%を管理会社に支払うという方式も考えられます。

 実質的な手取りを賃料の5%とすることで、税務的な不安を減らすことができます。

 また、受託者が賃貸管理以外に親の生活費管理や給付など幅広い業務を担う場合には、10%程度の報酬を得ても合理性が認められるケースもあります。

 結局のところ、信託報酬の妥当性は画一的に決められるものではなく、受託者の業務量や実態に応じて個別に判断することが重要です。

 特に不動産管理を含む家族信託の場合には、設計段階から専門家の意見を取り入れ、税務リスクを踏まえたうえでバランスの取れた報酬設定を心掛けるべきでしょう。