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信託契約書の信託財産目録と預貯金に関する注意点

「信託財産目録における預貯金の記載と実務上の注意点」について

 信託契約書の信託財産目録と預貯金に関する注意点(実務上の整理)

 

 1. 信託財産目録の誤った記載例

  • 「○○銀行○○支店 口座番号×××の普通預金および定期預金」
  • 「○○銀行○○支店に対する一切の預金債権」

 上記のような記載は、実務上は誤りとされています。

2. 法的な背景

  • 金融機関に預けたお金は、法律上「現金」ではなく「預貯金債権」。
  • 預貯金債権には、各銀行の定める譲渡禁止特約が付されている。

そのため、委託者から受託者への名義変更は金融機関の承諾なしにはできない。

3. 正しい記載方法と実務対応

  • 信託財産目録には、「現金 金○○円」と記載するのが望ましい。
  • 預金の具体的な口座名・口座番号を記載する必要はない(むしろ実務上障害になる)。
  • 信託財産とする「現金」は、複数口座からの合算でも差し支えない。

4. 信託契約後に必要な手続き

  • 信託契約(公正証書)を作成後、必ず親子で金融機関へ同行する。
  • 親(委託者)の口座から、子(受託者)名義の信託専用口座へ、「現金」として資金を送金・移動。

 これにより、信託契約に記載された信託財産の実体的な移動が成立する。

 

5. 実務上の注意点

  • 信託契約書を金融機関に提示しても、自動的に口座の名義を変更することはできない。
  • 親の口座番号を維持したまま、名義のみを変更することは不可能(相続時でも不可)。
  • 信託契約後に現金が動いていなければ、信託として機能しない恐れがある。

6. まとめと実務ポイント

  • 家族信託では、「信託財産=現金」として金額を明記し、その金額を実際に受託者が管理する口座に移すことが大切。
  • 信託契約書を作成しただけで完了とせず、「現金の実行移動」があって初めて実務的に信託が開始される。
  • 信託専用口座で管理することで、税務上や帳簿上の管理も円滑になる。