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非敷地権とは何か?

 「非敷地権」とは何か?―古いマンションで注意したい権利形態


 不動産の売買や調査をしていると、「非敷地権(ひしきちけん)」という耳慣れない言葉に出会うことがあります。

 これは、マンションなどの区分所有建物において、建物と敷地(土地)の権利が一体化していない状態を指す用語です。

 

 ■ まず「敷地権」とは?

 「敷地権(しきちけん)」とは、区分所有建物(いわゆるマンション)の専有部分と、その建物が建つ敷地(土地)の共有持分とが一体化して登記されたものをいいます。

 1984(昭和59)年の不動産登記法改正により、「専有部分と土地の権利は一体であるべき」とされ、敷地権という制度が導入されました。

 これにより、土地と建物をバラバラに売ることができなくなり、売買や相続の安全性が高まったのです。

 

 ■ では「非敷地権」とは?
 一方、「非敷地権」とは、敷地権になっていない状態の区分所有建物のことをいいます。

 つまり、建物(専有部分)と土地(共有持分)の登記が別々にされている状態です。

 これは、昭和59年の法改正前に建てられたマンションなどで、敷地権の登記がされていないままのケースに多く見られます。

 

 ■ 非敷地権となる主なケース

 非敷地権になるのは、主に以下のような場合です。

  • 旧法時代の建物 1984年の法改正以前に建てられたマンションで、敷地権の登記が未実施のもの。
  • 管理組合の否決等により、登記が行われていない 法改正後でも、管理組合の同意が得られなかった場合などで敷地権化がされなかったもの。
  • あえて敷地と建物を分離処分可能とする規約が存在する 規約により、土地と建物を分けて売買・相続できるようにしている場合。

 これらはいずれも、専有部分(建物)と敷地(共有土地)の登記が別個に存在する「非敷地権」の例です。

 

 ■ 非敷地権のリスクと注意点

 非敷地権である物件には、以下のようなリスクや不都合があります。

  • 売買の際に土地と建物の権利関係が複雑になるため、取引の安全性が低い
  • 金融機関が住宅ローンの対象にしづらいことがある
  • 将来的に建替えや敷地利用に関して調整が難航するおそれがある
  • 敷地持分の所在が不明瞭なまま取引される可能性がある

 そのため、非敷地権の区分所有建物を売買・相続などで扱う場合は、土地と建物の登記簿を別々に確認する必要があるほか、管理規約や管理組合の方針にも注意が必要です。

 

 ■ まとめ:非敷地権かどうかを調べるには?

 非敷地権かどうかを調べるには、建物の登記簿謄本を確認する(「敷地権の表示」があるか)

 土地の登記簿謄本と照合して、共有持分の登記が別にされているかどうかを確認

 

 管理規約で敷地権設定の有無や分離処分の可否を確認といった調査が必要です。

 

 現在では、ほとんどのマンションが敷地権つきで販売されていますが、築年数の古いマンションや一部の特殊な分譲形態の物件には非敷地権が残っていることもあるため、登記確認と現況調査は必須です。