人材育成と雇用の安定を支える「キャリアアップ助成金」と「人材開発支援助成金」
~厚生労働省の制度を活用して働きやすい職場づくりを~
働き方改革が進む中で、中小企業にとって「人材の確保と定着」、「社員の能力向上」はますます重要な経営課題となっています。
特に中高年世代の経営者・管理職の皆さまにとっては、経験豊かな人材を育て、長く活躍してもらうための取り組みが欠かせません。
そうした中、厚生労働省では、企業の雇用改善や人材育成を支援する複数の助成制度を設けています。
今回はその中から、実務上特に活用しやすい 「キャリアアップ助成金」と 「人材開発支援助成金」についてご紹介いたします。
◆ キャリアアップ助成金とは
「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用(パートタイム、アルバイト、有期契約社員など)の方を対象とし、企業が正社員への転換や処遇改善を行った際に支給される制度です。
【制度の目的】
非正規雇用労働者の安定した雇用を促進し、企業にとっては人材の定着や戦力化につながることを目指しています。
【主な支給要件】
l 対象労働者が6か月以上継続して雇用されていること
l キャリアアップ計画書を作成・提出していること
l 正社員転換に伴う就業規則の整備等を行っていること
【支給額の目安】
1. 1人あたり57万円(通常)
2. 1人あたり72万円(生産性要件を満たす場合)
対象人数に上限はあるものの、複数名の正社員化に対して助成が受けられるため、将来の中核人材育成に向けた取り組みとして非常に有効です。
◆ 人材開発支援助成金とは
こちらは、企業が社員に対して職業訓練やスキルアップのための研修を実施した際に、その経費の一部が助成される制度です。
【対象となる訓練例】
l 社外研修(OFF-JT)への参加
l 専門資格取得のための講座受講
l 業務スキル向上のためのOJT(職場内訓練)
l 働き方改革に関する教育、ITリテラシー向上研修 など
近年では、デジタルツールの活用や多様な働き方への対応が求められているため、定期的な人材教育が企業の成長を左右するといっても過言ではありません。
【助成の内容】
1. 訓練費用の助成(講師料、教材費等)
2.
訓練中の賃金助成 ※たとえば、中小企業で「OFF-JT訓練」を実施した場合、1時間あたり最大960円が支給されます。
制度の詳細は訓練の内容や実施方法により異なりますが、社員の教育にかかる負担を軽減するうえで、大変心強い制度です。
◆ 制度活用のポイント
これらの助成制度は、厚生労働省の方針に基づき「適切な雇用環境の整備」や「人材育成の計画性」が問われます。
そのため、申請にあたっては次のような点に注意が必要です。
1. 助成金の対象となる取り組みを事前に計画書として提出すること
2. 雇用契約書、就業規則、勤怠記録などの整備
3. 一定の継続雇用期間や就業実績があること
4. ハローワークや労働局への定期的な報告義務
また、助成金の申請には一定の事務手続きが伴うため、社会保険労務士など専門家への相談も有効です。
◆ おわりに
高齢化社会が進む中、企業にとって「人材をいかに確保し、いかに育てるか」は経営の根幹です。
特に中小企業にとっては、人材の定着やスキル向上がそのまま会社の成長につながります。
厚生労働省の各種助成制度は、こうした課題に取り組む企業を後押しする仕組みです。

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