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レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症とは―見えない現実と向き合う認知症の一つ

 高齢社会の日本では、認知症への関心が高まっています。

 

 認知症には複数の種類がありますが、「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」と並び、三大認知症の一つとされるのが「レビー小体型認知症です。

 あまり馴染みがないと感じる方も多いかもしれませんが、レビー小体型認知症には、他のタイプとは異なる特徴的な症状が多数見られます。

 

 原因と発症の仕組み

 レビー小体型認知症は、脳の神経細胞に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質(主にαシヌクレイン)が蓄積することによって発症します。

 このたんぱく質の蓄積は、脳の各部位の働きを妨げ、結果としてさまざまな認知機能の障害を引き起こします。

 アルツハイマー型のように記憶障害が主な症状ではないため、初期段階では「認知症」と気づかれにくいことも少なくありません。

 

 主な症状とその特徴

 レビー小体型認知症には、以下のような特徴的な症状が見られます。

  •  幻視:

 実在しない「人」「動物」「虫」などが、はっきりと見えることが多く、現実と区別がつかないこともあります。

  •  錯視(影や物を他のものと勘違い)も頻繁です。

認知機能の変動:

 ある時間帯はしっかりしていても、別の時間には急に反応が鈍くなるなど、認知の状態が日内・日々で大きく変わるのが特徴です。

 

パーキンソン症状:

 筋肉のこわばり、手足の震え、小刻み歩行、転倒しやすさなど、運動機能の低下がパーキンソン病に似た形で現れます。

 

レム睡眠行動障害:

 眠っている間に大声で叫んだり、夢の内容に反応して手足を動かしたりすることがあります。

 家族が先に気づくケースも多い症状です。

 

初期の自律神経症状:

 便秘、嗅覚低下、抑うつ、立ちくらみ、発汗異常など、身体の調節機能に関する不調が先行して出る場合もあります。

 

診断と治療について

 レビー小体型認知症の診断は、症状の組み合わせと経過、画像検査などの総合的な判断によって行われます。

 初期では記憶障害があまり目立たず、うつ病や統合失調症と間違われやすいため、専門的な知識を持った医師の診察が不可欠です。

 

 残念ながら根本的な治療法は確立されていませんが、症状に応じた薬物治療により、幻視や運動障害などを軽減できることもあります。

 

 ただし、レビー小体型認知症の患者は薬への過敏性が高いため、副作用に注意が必要です。

 

介護と生活環境の工夫

 レビー小体型認知症の特徴である「幻視」や「認知機能の変動」は、周囲の理解が欠かせません。

 幻視に驚かず、否定せず、安心させる対応が重要です。

 また、パーキンソン症状による転倒防止のためには、段差をなくし、床に物を置かないなど、住環境の安全対策が不可欠です。

 

 さらに、日によって認知や身体の状態が変わることを理解し、「今日は調子が悪い日」と捉えて無理に正そうとしない姿勢が、本人の安心感につながります。

おわりに

 

 レビー小体型認知症は、早期発見が難しく、また症状も多岐にわたるため、家族や介護者の理解と協力が重要な認知症です。

 

 幻視や感情の変化など、日常では理解しにくい症状が現れることもありますが、「そういう病気なのだ」と正しく知ることで、対応も落ち着いて行えるようになります。

 

 もし、周囲に気になる症状を持つ方がいらっしゃる場合は、早めに認知症に詳しい専門医に相談することをおすすめします。